日本ハムは8日の西武戦(ベルーナ)に1―5と敗戦。先発・杉浦が相手4番・山川に13号2ラン、14号3ランを献上して粉砕され再び借金は13に膨らんだ。

 試合後、「ビッグボス」新庄剛志監督(50)は「山川君には何を投げたらいいんでしょう?」と苦笑いを浮かべながらこう相手主砲を称賛した。

「ああいういいタイミングの取り方とか、打ちに行く形をうちの若い選手に目で盗んでもらう、お互い試合をしているんだから、いいところは盗んで行ってほしいですよね。今日も山川君に万波君が、タイミングの取り方とか打つ方向とかを教えてもらって。これからね、それをやり続けてもらったら、いい打者に成長してくれるしね」

 試合前に自ら山川に打撃に関する教えを乞い、4本塁打を放ちながら打率1割6分4厘と不振に陥る万波にアドバイスを求めたことを明かした。

 その上で新庄監督は「(山川君は)振り切るでしょ、振り切った後に走る。走り打ちをしていない。体の中にボールを入れないところがいいんですよ」と山川のバッティングスタイルを称賛。また、バットを振る動作をしながら「全部ここから先で捉えて、詰まってもこの辺。この辺で空振りじゃないもんね。空振りはこの辺。ちょっと(本人から)聞いたんだけど、バットの芯ってこれだけ(と指を広げる)とバッターは思っているんだけど、これだけあるじゃない(とスイング中に芯が移動する奥行きを示す)。バットが折れるまで。詰まっても(スタンドまで)行くからという話をしていた。なるほどなって。確かに昨日も詰まっていたし、今日もそんなに真芯じゃなかった。で、バットが長いんですよね」と〝芯に当たらなくても本塁打は打てる〟とする山川の打撃理論に感服していた。

 完璧な負け試合で自軍に関するコメントを避けたかったとはいえ、細かすぎる敵軍の4番、山川に対する賛辞だった。